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アタシは今日も重い足取りで学校へ向かう。
校門に着いた時、自然と目を向けてしまう人が居た。
「おはよっ!樹!!」
アタシは樹の元へ走り、肩を叩いた後に挨拶をする。
「イッテ!詩乃、はよ。つか、もうちょっと手加減しろよ!」
怒った口調で言う樹の顔は、笑っていて、凄く愛しく思える。
アタシはそんな樹が好きで…好きで仕方なかった。
でも、叶う筈のない恋だった。
「大きい体して何言ってんの!これくらい大丈夫!大丈夫!」
冗談半分に言うアタシを見て、樹も笑う。
それだけの事が、アタシにとっては幸せだった。
でもその関係も、もうすぐ崩されてしまう…。
そんな事…アタシはわかってたのに…。
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