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「まじで!?」
それまで冗談半分で話していた真が驚きと歓喜が入り交じった声で孝に聞いた。
「うん」
「仲いいの?電話番号は?メールアドレスは?」
真のたたみかけるような質問攻めに孝は困惑した表情で答えた。
「知らないけど、別の中学の同級生とは今も連絡取りあってるから、その子経由でなら―」
「聞いて!」
孝が言い終わらないうちに真が割り込んで来た。
「まあ良いけど、俺はあまりおすすめしないよ。やめておいた方がいいよ……」
「なんで?」
孝の言葉に真は少し不機嫌になった。
「あの子、小悪魔だから……」
孝は中学時代の真美を思い出しながら言った。
「俺苦手なんだよね。自分がかわいいって事を自覚してる女の子って。あぁ私をもっと見て!ちやほやして!ってオーラ出まくりって感じで」
「あの子はそういうタイプじゃないでしょ?」
真はますます不機嫌な顔をして言った。
「うん。それ以上にタチ悪い」
「は?」
真の表情は不機嫌を通り越して怒りに変わっていた。
「まあ俺がいくら言っても無理でしょ?とりあえず友達に連絡先聞いてみるよ」
さすがに孝もこのままではまずいと思い、真を逆撫でしないように話をまとめた。
「よろしく!期待してるから!」
何か腑に落ちない真であったが、真美の連絡先を聞き出すチャンスを逃さない為に、不自然な笑顔を作った。
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