失望

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「真美今車屋で受付嬢やってるらしいよ!」 数日後、孝は収集した情報を真に伝えた。 真美は大学卒業後、地元に戻り就職していた。 「そっかぁじゃあ見に行くから付いて来て!」 真は当たり前の様に言った。 孝は渋々ではあったが了承し、真美の携帯に車を見に行くと言う連絡をして、その週の日曜日に真美の職場に行った。 「孝!久しぶり~」 10年ぶりに会う真美は、中学時代のかわいらしい感じから、大人の美しい女性へ成長していた。 『これは真がメロメロになるのも分かる』 孝は変に納得して真美に挨拶する。 「久しぶり!元気にしてた?」 それからしばらく、孝と真美は近況報告をしたり、中学時代の思い出話に花を咲かせた。 「あっそろそろ仕事しなきゃ怒られちゃう!どんな車がいいの?ショールームゆっくり見て行ってね!」 真美は上司や同僚たちの視線を気にしてか、切り出した。 「あっ車見たいの友達なんだよ」 孝は真を指さして言った。 『見たいのは真美なんだけど』 心の中で孝は一人ほくそ笑んでいた。  「竹下さん久しぶり。予備校一緒だったけど俺の事見たことない!?」 真ははにかんだ笑顔で真美に話し掛けた。 「あっ!」 しばらく考えた真美は思い出したように真に笑顔を向ける。 「横田くん??」 「そうそう!横田真だよ!」 嬉しそうな真の横顔を孝も笑顔で見ていた。 『なんかいい感じになるのか!?』 孝はそれから真実と連絡先を交換した後、楽しそうに車を見て回る真を見て思った。 真はチラチラと真美を見ては孝に興奮気味に話し掛けた。 「俺本気で頑張ってみる!」 「そうだな!俺も真美が中学の頃の印象とは変わっていて驚いたよ。応援する!」 そんな二人に冷たい視線を投げ掛ける人物の存在に真はもちろん孝も気付いていなかった。
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