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「で、その後どうなのよ?」
孝は冷えたビールジョッキを片手に真に聞いた。
季節は夏になり、夜になってもじっとり汗ばむ。
二人の入った居酒屋はクーラーが効いていたが、混雑した店内は熱気を帯びていた為冷えたビールがうまい。
真の恋話を肴に孝は二杯目を注文していた。
「それがなかなかうまく行かないんだよなぁ」
真は酒があまり飲めない。コーラを飲みながら答えた。
「なんで??電話やメールはしてるんでしょ?」
「うん。この前俺の会社、社員旅行でグアム行ったから、お土産の香水を渡そうと思って電話してみたんだけど」
「プレゼント攻撃かよ?はははっ」
「うるさい!」
「はいはい。で?」
「なんかうまくはぐらかされて会ってくれない」
「まじで?」
「うん。でもせっかく買って来たから渡すだけでもって思って、この前真美の会社行って仕事終わるまで待ってた」
「それストーカーぎりぎりだなぁ」
「うっ……」
「悪い悪いっ!で渡せたの?」
「他の人にあげればいいじゃんって言われた……」
「は?なにそれ!?」
「これってフラれたって事だよな?」
「うーん……まだ結論出すのは早いけど、それはかなりきまずいな」
「なんか真美、自分の会社に来られるのがすごく嫌みたい」
そこまで話すと真は肩を落とし、俯いてコーラを一口飲んだ。
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