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気づけば季節は既に紫陽花の咲く梅雨へと移り変わっていた。
先月半ばから始まった大和とのメール。
大和は奏多より1つ年上の大学生らしい。
大学の寮で1人暮らし。
人付き合いがあまり得意でないらしくメル友作りに励んでたらしいのだ。
大和曰く奏多が一番最初にメールの返事を返したらしい。
なんとなく自分と似てるのかな?
奏多も少し大和って言うメールの送信者に興味を持っていた。
ただ、何処で僕のメアドを知ったのかは教えてくれなかったが、何気に毎日メールのやりとりをしていた。
おかげで、色んな話しが聞けて楽しい。
奏多はそう思えるようになっていた。
たぶん、大和は悪い人じゃない。
そう思えたからこそ、奏多はメールを続けてたのだ。
最近じゃ、人付き合いが上手く出来ない事を大和に相談するようにもなっている。
ちょっとした変化がもたされていたのだ。
(大和ってどんな人なんだろ?)
メールを続けるうちに当然の興味が湧き、隠し切れない。
でも、「どんな人?」なんてストレートな質問を投げかけるわけにも行かず…
くすぶってる炎のようにモヤモヤとしていた。
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2006.06.21 22:35
大和
奏多ぁw
お疲れぇ!
一人は寂しいぞぉ😭
バイト終わったら相
手して!
大和
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帰宅後、携帯を確認すると大和からメールが届いていた。
(やっぱ、一人は寂しいんだ…
自分には出来ないだろうな…
一人暮らし…
大和は僕と1つしか年変わらないのに凄いなぁ…)
奏多は素直にそう思った。
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