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二人は、校門の前。
周りには一人も他の生徒達がいない。
「あれー?誰もいないじゃんよ?」
当たり前だ…もう授業始まってんだから…お前が遅いからだろ…
河野の馬鹿発言に桔平は、心の中でツッコミを入れていた。
「つーか河野」
「ん?なんだ桔平」
「俺らいつもの事じゃん」
この二人…典型的な遅刻魔らしい。
ガラガラ
扉の開く音。
教卓と黒板の調度間に立っている教師らしい女がそれを聞いて、そっちを見ると同時に呆れた顔をする。
「おーい、またですか?君達は?毎日毎日いつまで遅刻するんだ?何回注意すれば直るのか教えてくんない?それとも、あれか?これは先生に対する嫌がらせか何かか?」
舌を噛むんじゃないかってぐらい早口で遅刻して来た二人に向かって呆れた顔から出る嫌味が篭った先生の言葉。
毎回ぺらぺら忙しい人だな…
「いやーすいませんね、先生。僕ら低血圧でして朝に弱くてなかなか起きられないんですよー」
……ここにも一人いたな…
「すいませんでした」
そう適当に言って桔平は、自分の席に腰を降ろす。
河野と先生は、まだぺらぺらとくだらない会話を続けている。
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