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 都が夏樹をすぐ下の階にある保健室へと向かうために、二階の廊下を手を引いて歩いてた。 「………気持ちの整理…ついてなかったの?」 「……」  夏樹は何も言わず、ただ俯き、引っ張られていた。  そんな背後の空気に都はハァと大きな溜め息を吐くと、自分よりも頭一つ以上も高い夏樹を振り返った。 「前に言ったでしょ? 告白する気がないなら、遅かれ早かれ、それ相応に整理しといたほうがいいって」 「……わかってるよ」  力ない…消えそうなほどの弱々しい声がこぼれ落ちる。 「本当にわかってんの? このままじゃ、あの二人を見ていても辛いだけなんだよ?」 「わかってるよ!!わかって…」  都は夏樹の大声にビックリし、一瞬驚きはしたが、きつく唇を噛みしめた夏樹に溜め息を吐き、保健室へと再び歩きだした。 「………もう少しだけ我慢してね」 「…………………都」 「なに?」  よく聞いてないと聞き逃しそうなほどに小さな声は、少しは震えて聞こえた。 「…怒鳴って…ゴメン」 「いいわよ。私も言い過ぎたんだし。 そうよね……誰かに言われて、はいそうですね。で簡単に終わりにできる程度のもんじゃないくらい好きなんだもんね」 「……」  都は【保健室】と書かれたパネルを見上げながら、もう一つ溜め息を吐くと目の前の扉を開けた。
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