756人が本棚に入れています
本棚に追加
驚いていたが指を指して武器が置かれている場所を教えてくれた。
「有り難うございます!」
お礼を述べて弓矢を持って馬に向かって走った。
「えっ!?ちょ!馬も?!」
「この子も借りますねぇ。」
ヒョイと馬に跨り馬に歩くように指示し関門から出た。
「あ!!ちょ!待てっ!!」
「ちゃんと戻ってきますからぁ!待ってて下さいね。」
馬の脇を叩き走らせた。馬は指示通り走ってくれる。燎嵩が軽いせいか速度も出ている。
「どこ行ったんだろ。」
辺りを見ながら後を追う。
この馬の速度なら劉備には追い付けるだろう。
劉備は明らかにメタボな体型で体重もあるだろうから、馬にしてみれば重いはず。乗せてるのか乗せてないのか、あまり重さを感じない燎嵩を乗せた馬なら直ぐ追い付けるだろう。
矢が張飛を狙う。
その矢先に張飛が姿を表した。
「くぉらぁ馬超ぉぉ!!」
凄い形相で迫ってくる。
馬超が矢を放った。
ヒュッと風を切り張飛目掛けて迫る。
張飛は迫り来る矢を寸での所で身をかがめよけた。
「!?ちっ!」
馬超は槍を持ち突っ込んで来る張飛に身構える。
蛇矛が馬超目掛けて延びる。
槍を盾に蛇矛を受けた。
「捕らえたぜ馬超。なめくさりやがって。」
こめかみの血管がピクピク動いている。相当頭にきているのが分かった。
いざ再戦と2人身構えた時だった。
「ダメだ張飛!止めるのだ!」
劉備が止めに入った。だが、張飛は耳に入っているだろうが、決して止めようとしなかった。
それは馬超も同じ。2人は臨戦態勢になる。
「ああ、どうしたものだろう。このままでは。」
馬を止めて劉備は困り果てていた。
再度劉備は止めようと声を出そうとした。
が、劉備の横をヒュッと何かが横切り馬超目掛けて突っ込んでいった。
「?!」
馬超は間一髪で避ける。
タン!と音を立て木に飛んできた矢が刺さった。
「何っ!?」
馬超は流石に驚いた。
あの時の一騎打ちといい今といい、狙いに狂いがない腕に驚かされた。
「燎嵩!?お前どうして?!」
劉備が驚いていた。
馬超も張飛も劉備の方に視線を向ける。
そこには馬に乗ったまま弓を構えた燎嵩の姿があった。
「劉備様こそ、護衛もなく危険ですよ。」
「あ、そうだな。」
燎嵩の指摘に劉備は頭を掻いた。
天然なのだろうか。それとも無我夢中で今気付いただけなのだろうか、自分の身分を把握して行動して欲しいものだ。
「うぉいクソガキ!!まぁた邪魔しやがってぇ!!」
張飛の怒りの矛先が燎嵩に向けられる。
最初のコメントを投稿しよう!