第壱章/義勇軍

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「すげぇ。戦時中の三国志だぁ。あの戦火の中を現代までこの状態で生き残ってきたんだ。」 有る意味凄い本だ。 全巻だ、まず全巻生き残る事は無に等しい。 必ず、幾つかは失われるのが殆どである。 何て強運の本なんだろうか。 燎嵩は幾つか飛ばしてとある巻に手をのばした。 「ビンゴ、八門金鎖の陣。曹仁の攻撃を破ったのは軍師単福。本名徐庶元直。確か、休、生、傷、杜、景、死、驚、開で、生門、景門、開門から攻めいれば利があって、傷門、驚門、休門は傷付き、杜、死、の門は二度と生きて帰れないとかだったな。」 三国志は好きで誰の書いた本構わず読んでいたので覚えた。 「諸葛亮孔明を紹介したのも徐庶元直。彼は、曹操には形では仕えていたが、知恵は貸さなかったとされている。やっぱり劉備の為か。」 劉備玄徳。大徳と呼ばれた蜀の皇帝。 極めて奏でたモノはないが、彼の周りには常に強者が集っている。 「関羽雲長、張飛翼徳、趙雲子龍、馬超孟起、黄忠漢升、姜維伯約、魏延文長、ホウ統士元、か。」 凄いメンツである。 有名過ぎ。 「でも、俺的には王平が好きだな。」 諸葛亮孔明の腹心として彼はよく働いている。 彼は字が読めないのである。諸葛亮孔明の策を部下に読ませて頭に容れていたそうだ。 彼は努力家でもある。 策を授かっても理解していなければ、動くに動けない。 諸葛亮孔明の策を実行するに辺り、彼自身も軍略を学んでいたそうだ。 馬謖が諸葛亮孔明の指示に背き街道沿いに布陣せず、山頂に布陣し魏軍に敗北をした北伐の時も、王平は見事な指揮を執り自軍の撤退を行っていた。 目立たないけれど、自分の出来る事をやり、極力疲弊や犠牲を少なくし、策を遂行し上司である諸葛亮孔明からは厚い信頼を得ていたと言う。 俺自身人の上に立って生きる人間ではなく、人の下にいてサポートして上手くいくタイプの人間である。 そこはちゃんと理解している。 副将が合ってるだろう。 「だから王平に共感できるんだろうなぁ。」 話が本とかなりズレてしまった。 劉備には徐庶元直にすれ、いい軍師も付いてきていた。 諸葛亮孔明、一時ではあったが、孔明と並ぶ軍師ホウ統もまた劉備に付いた。 臥龍鳳雛の言葉は孔明とホウ統を指すのである。どちらかを得られれば、天下を取れると言われていたが、劉備は2人得ていた。 しかしホウ統は蜀の地を得る戦いで死亡、孔明はいたが、天下を取る事なく蜀は滅びたのだった。
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