第壱章/義勇軍

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「水鏡先生どうなってんだ?いや司馬徽さん。」 何だか夢中になって三国志を堪能していた。 ページをめくっていくと白馬の戦いがあった。 曹操とエン紹の戦いだ。 そして顔良、文醜を一刀両断した事でも有名である。 「関羽雲長か、劉備と出会う前は塩を売っていた商人だったんだよね、トラブルが元で辞めたんだっけか。」 曹操の下で客将としていた。本当は劉備の奥方を守る為に致し方なく残った。 白馬の戦いの時、エン紹軍の物量と攻撃に曹操は苦戦を強いられていた。ジュンイクの知恵にて曹操は手柄を立てさせぬようにしていた。 劉備の下に帰って行く事を懸念しての事。 それは関羽が曹操の元に留まる条件の一つであったからだ、手柄を立てれば帰る。 だが、白馬にて危機を向かえていた。 致し方なく曹操は関羽を許都から呼び寄せた。 「顔良、文醜をエン月刀にて一刀両断ってワケか。」 強いのか最近は疑問視していた。 ページに目を戻すといきなり本が光始めた。 「え!?」 慌てて店内を見回し店員か店主を探す。 が、誰の気配もなく焦りが増す。 その光は一段と光を放ち辺りを光で照らし視界を消してしまった。 一時視力を奪われ目が見えなかった。 次第に感覚が戻り光が目に入ってきた。 視界も広がり大自然のパノラマが広がっていた。 「………ここ何処?」 さっきまでいた古本屋がなくなり木々や草花が生い茂り咲いていた。 辺りを見回しても誰一人いない。 ふと、自分の身なりに気付いた。学校の制服ではない。 まるで中国のチャイナ服みたいなものだった。 「なんで?」 自分の持ち物も探すが一切ない。 愕然となり地べたにへたり込む。 「どうなってんだ?」 手から振動が伝わってきた。地震かと思ったが、揺れ方が違う。 振動は強くなり近づいてくるのがわかった。 その振動の元が来た。 大群の馬に人がたくさんいた。 「!?」 走っている者もいっぱいいる。それぞれが武具を纏い武器を持って走っていたのだ。 大群の迫力に圧倒され、言葉を失う。 「てめぇが馬超か!?」 「我は馬岱!!お相手仕る!」 「あんだ!?てめぇ馬超じゃねぇのか!!」 デカい声で互いにやり取りを交わしていた。 幾つか見知った名前を耳にする。 「馬超に馬岱?」 そっと声の方に視線を向けてみる。 岩陰に隠れて様子を窺う。 何か髭もじゃの大柄な男がいた。 だが何故か分かった。 「あ、張飛だ。」 旗も「張」がはためいていた。 馬岱らしき人物はガタイはいいが、
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