第弐章/三国鼎立-混沌の始まり

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その事を聞いた趙雲は屈託なく笑い転げた。 「張飛殿らしい。」 確かにね。 コレが関羽だったらどうなったのだろうか。 「あーやれやれ立ちっぱなしは年寄りには堪えるわい。」 腰を叩いて老人が歩いていた。 ―あれはまさか、黄忠!?― 首をコキコキと左右に振り鳴らしていた。 「ん?趙雲殿如何した?」 こっちを見て黄忠が寄ってきた。 「あ、黄忠殿。」 黄忠に趙雲は挨拶をした。黄忠も挨拶を返す。 「ん?何じゃこの童は?」 燎嵩に気付き覗き込んだ。 「この者は燎嵩殿です。我が殿の客人ですよ。」 「ほほぅ殿の客人かぁ。お、お、失礼あってはならん。」 黄忠は姿勢を正し燎嵩に挨拶をした。 「ワシは黄忠漢升と言う。以後宜しく頼む。」 あえて堅苦しくない挨拶をしてくれた。 「あ、は、はい!私は燎嵩と言います。こ、黄忠様ですね。よ、宜しくお願いします!」 慌てて返す。 ガハハと盛大に笑い黄忠は燎嵩の頭をくしゃくしゃにする。 「ああっ!黄忠殿!!」 趙雲が慌てて止めに入る。 ボッサボッサになり髪の毛は暴発していた。 蜀の人らはみんなこんなんなのだろうと燎嵩は諦める事にした。 殿様の劉備からしてくしゃくしゃにしてくれたのだから。 「ん?何じゃ童、目が光っとるぞ。金色か?」 黄忠が気付いた。 屈んでじっくり見ていた。 「不思議な色だのぅ。のぅ趙雲殿。」 「ええ、我々は茶色の目ですが、彼は金色の目の色です。」 黄忠は更に目を胸に向けた。かなり視野が広いのか次々に発見していく。 「おお!龍がおるぞ!こりゃ驚いた。」 子供のようにキラキラした目で痣を見ている。 ―お爺ちゃんお髭痒い~。― 黄忠の顎髭と口髭が伸びているのでそれが肌にソフトタッチの如く触れるので痒みがおこる。 「見事な龍です。痣とは思えません。」 趙雲が痣について言った。 黄忠は龍を見て唸る。 「確かにのぅ。痣とは言えぬ見事さよ。まるで彫り込んだようじゃ。」 浮き出ている。 焼き印とは違う。やはり彫刻に酷似している。 「童、何処から来たんじゃ?殿とどう出会うたのじゃ?」 確かにそこは気になる所ですよねと燎嵩は引きつり笑いをしていた。 ―確か三国志時代は日本は邪馬台国や日本王国がある時代。倭の国と記されていたハズ― 燎嵩はいっその事倭の国と言おうとした。 「殿が申されるには旅人だと言われました。張飛殿が連れて来られたようです。」 趙雲が先に入った。 「旅人?ほほぅ。若いのにのぅ。各地を歩んでおったのか。」
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