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炭酸の刺激でゲフッと大きくゲップが出た。
「あ~~美味い。
ご馳走さま。」
「飲んだね?」
「ん?うん。」
「全部飲んだね?」
「う…うん飲んだけど…?」
「ほれ。」
「はへ?」
目の前に、シワシワでゴツゴツした手がにょっきりと差し出された。
「何これ?」
そのゴツゴツした掌を意識しつつ千代婆を見る。
「バカだね。
金だよ金。
ジュース飲んだんだろ?」
「う…うん。」
「うまかったかい?」
「うん。」
「だーったら金払いな!!」
「えーー!?
これってくれたんじゃなかったのか!?」
「バカお言い!
慈善事業やってんじゃないんだ!
さっさと払いな。」
「………ケチババア」
「何か言ったかい!?」
「いーえ何も。」
(財布持って来てたっけかな?)
ズボンの後ろポケットに触れて財布があるか確認する。
(持ってたよかった…。)
そんなに多額は持って来てないだろう。
(でも小銭くらいなら…)
「それでいくら?」
「5億」
「は?」
「5億だよ5億。」
「払えるかーー!!」
「これでもサービスした金額なんだがね~。」
「こんなジュース一本がそんな…」
「うるさい子だねぇ。騒ぐんじゃないよ。」
「だって…!」
「わかーったよ。
アンタは孫みたいなもんだからまけてやろう。」
「…い…いくら?」
(ババア…本気で5億なんて言ってるのか…?)
「そうだねぇ…5万!」
「ぼったくり!!」
「ぼっ…!?失礼だね。
これはただのジュースじゃないんだよ!」
「じゃあ何のジュースさ?」
「これはね。
クジ付きのジュースなのさ。」
「く…クジぃ!?」
三億円でも当たるって言うんだろうか?
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