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俊彦
「あ、ありがとう」
そこへなおみが話し掛けた。
なおみ
「橘先輩!」
俊彦
「あれっ、なおみちゃん。珍しいな、俺のクラスに来るなんて」
前に来ていた女生徒や、俊彦のクラスの女子が、俊彦と仲のいいなおみを見て、睨んでいた。
冷たい視線を感じたこずえが、女生徒の方を見て、怖くなってなおみの後ろに隠れた。
こずえ
「やだぁ、睨んでるよ」
俊彦
「大丈夫だよ、こずえちゃん」
こずえ
「覚えててくれたんですか?私の名前」
俊彦
「ああ、よろしくって握手したからね。覚えてるよ」
なおみ
「こずえ、ほら、早く」
こずえ
「う、うん。あのー、これ、読んでください」
こずえは恥ずかしそうに手紙を渡した。俊彦もいつものように受け取る。
毎日10通前後のファンレターが届くのだ。
こずえの手紙もその類だと思っていた。
そんな時チャイムが鳴った。
なおみ
「じゃ、先輩、読んであげてね」
俊彦
「ああ、わかった」
手紙を読んでみると、あまりにも熱烈な告白が書いてあった。
俊彦
「あの子、…本当に俺のこと…」
俊彦は、今までにそんな熱烈な告白文をもらった事はなかったので、感動していた。
こずえ
「ああ、まだドキドキしてる」
なおみ
「でも普通名前覚えてもらえないよ?」
こずえ
「なおみがグランドへ連れていってくれたおかげだよ。先輩と知り合えたし」
なおみ
「今日も行く?グランド」
こずえ
「うん!」
放課後、またなおみが担任に呼ばれた。
担任
「北原、後で職員室に来なさい」
なおみ
「…はい。…何だろう。」
孝行
「なおみ、お前また何かしたな?」
なおみ
「何もしてないわよ!」
なおみは担任の後を追い、職員室に入った。前と同じように、また隣の先生の椅子に座った。
担任
「実はな、そろそろ刑事さんとの交際を許可しようと思うんだが…」
なおみ
「本当ですか?」
担任
「ただし、条件付きだ。以後、2度と送ってもらわないこと。守れなかったら交際を認めない」
なおみ
「わかりました」
担任
「よかったな、いい先輩達と友達で」
なおみ
「えっ?どういう事ですか?」
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