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純二に告白されて一夜明けた次の日の朝、なおみはいつもより遅く起きた。昨日のことを思うと、興奮して明け方まで眠れなかったのである。
なおみ
「ふぁぁ、おはよう」
良子
「おはよう。今朝はゆっくりなのね」
なおみ
「うん、昨日寝られなくて…」
英雄
「なんだ?そんなに興奮していたのか?」
居間のソファーに座って、新聞を読んでいた英雄が言った。
なおみ
「まぁね。だって、昨日は…」
なおみは昨日のことを思い出して赤面していた。
英雄
「なに赤くなってるんだ?まぁ、昨日は一応交際を認めたが、この間の条件は変わらないからな」
なおみ
「ふぁ~い」
なおみはあくびをしながら返事をし、食卓についた。
英雄
「今回、それに加え4つ目として、淫らな行いをしないこと」
なおみ
「淫らな行いって?」
なおみはそれがどんな意味かはだいたい見当が付いていたが、確認のためわざと惚けた振りをした。
英雄
「不純異性交遊ってやつだ」
なおみ
「例えば?」
英雄
「例えば…要するに一線を引けということだ」
なおみ
「つまりエッチはするなってことでしょ?じゃぁキスはいいのね」
英雄
「そうだ。…なに?」
なおみ
「あっ、そうだ。私、孝行に話しがあるんだった。ちょっと出掛けてくる。お昼には帰るから」
なおみは軽く朝食を摂り、孝行の家に向かった。
日曜日の朝のため、孝行はまだ夢の中…。
なおみ
「こんにちは」
勢津子
「はい。あら、なおみちゃん。いらっしゃい」
なおみ
「孝行いますか?」
勢津子
「まだ下りて来てないみたいなんだけど…」
勢津子が玄関先にある階段を見上げて言った。すると久志が下りてきた。
久志
「ふぁ~。あ、なおみちゃん、おはよう」
なおみ
「おはようございます」
勢津子
「あっ久志、孝行は?」
久志
「まだ寝てる。なおみちゃん、孝行に用?」
なおみ
「うん。ちょっと話しがあって」
久志
「なおみちゃん、起こしてやってよ」
なおみ
「上がってもいい?」
勢津子
「どうぞ」
なおみ
「お邪魔しま~す」
階段を駆け上がり、孝行の部屋の前に立ち、ノックした。
なおみ
「孝行、起きてる?」
孝行
「…」
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