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孝行
「純二さんだったら汚してもいいのかよ!」
純二
「そんな事言ってないだろう。俺だって、お前と同じように思ってるさ。でも俺にとってなおみちゃんは、大事にしたい、大切な人なんだ。だから、俺はそう簡単には汚したくない」
孝行
「そんな事思っているのは、今のうちだけだよ。もっと関係が深くなれば、抱きたいって思うようになるさ」
純二
「お前、この間言ったよな。なおみちゃんに振られた方が手を引くって」
孝行
「ああ」
純二
「約束は守ってもらう。今後、なおみちゃんには手を出すな。わかったな。それが守れるんなら今回の事は許してやるよ」
純二は力強く電話を切った。切った後もまだ興奮している。
一係のみんなが心配して、純二に駆け寄った。
西田
「竹本、どうしたんだ?なおみちゃんがどうかしたのか?それになおみちゃんには手を出すなって?」
純二
「…俺、昨日のドライブの時、告白したんです。交際も署長に許可もらって、なおみちゃんと付き合えるようになったんです」
西田
「そうか、とうとう。俺としては残念だけど、なおみちゃんが幸せになるんならお前に任せる」
純二
「西田さん…」
塚本
「でもなんで孝行くんと喧嘩になるんだ?」
純二はまた怒りが込み上げてきた。
純二
「…あいつ、なおみちゃんを襲ったんですよ、今日」
みんな
「ええー?」
純二
「だから注意しただけです。なおみちゃんはもう俺の彼女ですから」
その夜、純二はなおみの事が心配で電話をかけた。
良子
「はい、北原でございます」
純二
「竹本です。昨日はお邪魔しました」
良子
「いえいえ、なおみね、ちょっと待ってね」
なおみの部屋の電話が鳴った。
なおみ
「はい」
純二
「あ、俺」
なおみ
「あっ、こんばんは。どうしたの?」
なおみは意外に元気そうだった。
純二
「今ね、仕事から帰ってきたところなんだ。今日は会ってないから声が聞きたくなって…」
なおみ
「ご苦労様。今日は事件なかったの?」
純二
「ああ。…なぁ、なおみちゃん、今日…」
なおみ
「え?なぁに?」
純二
「…いや、なんでもない」
純二は、孝行のことを話そうとしたが、話すことでなおみがまた嫌な思いをして、傷つけてしまうのではないかと思い、なにも話せなかった。
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