騒がしい季節

24/33
前へ
/188ページ
次へ
「お、桜花ってのは俺の妹の事だ」 「あー。妹居んのか」 「ま、まぁな」 すまん、恵介。本当は俺なんだ。 でもそれは恥ずかしくて言えないんだよ… 「一緒には住んでないのか?」 「ま、まぁな。あいつ親から離れたくないみたいでさ」 「そっちの方が楽だよな」 「そ、そうだな」 必要以上に聞いてくるな、おい。 「ちなみに写メあるか?」 「ないっつーの」 「ち。面白くねー」 「何で妹の写メ撮らないといけないんだよ?」 「だって離れ離れになるんだぜ? 『行かないで、お兄ちゃん』的な事はなかったのか?」 ガタン! 思わず机から落ちてしまった。 隣では雅がふるふると体を震わせながら笑うのをこらえている。
/188ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2111人が本棚に入れています
本棚に追加