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「は~い、頼斗ちゃん。ちょっと外に散歩行かな~い?」
ガチャリとノックをせずに、1人の女性が頼斗の名を呼びながら、中に入って来る。
「おいおい、いきなり入って来るな。ノックしろノック」
ベッドに横になっていた頼斗は、そんな女性に視線だけを向けて言う。
ここは魔物たちの一部によって構成されている組織【闇】の本拠地、その中にある頼斗に与えられた部屋だ。今はまだ机とベッドくらいしかない。
「そんな堅いこと言わないの~。ほら、立って立って」
そして、この頼斗にやたらと絡んで来る紫髪でロングヘアーの女性はアリア。水色の炎を使う、闇の幹部である。
「昨日話し聞いて疲れたから休ませてくれ。誘うならあのデュオとか言うやつにしてくれ」
「いやよ~。デュオより頼斗ちゃんの方が絡み易そうだもの~」
デュオ。そう呼ばれているのは、最初に暁と学園を襲撃してきた少年だ。歳は頼斗と同じくらいで、青髪のツンツン頭をしている。今は闇の中のどこかに行っている。
「マジで勘弁」
そう言って壁の方を向く頼斗。アリアは「あら」と言って、ベッドに腰かける。
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