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「そんな邪険にしないで~。仲間になったんじゃない」
そう言って頼斗の頬をつつくアリア。どうも襲撃のときと同一人物とは思えない。頼斗はそんな感想を、ここにいる全員に抱いていた。
昨晩、闇のボスであるハデスから色々と聞いたあと、闇の中を一通り見学したのだ。
そのとき案内をしてくれたのが、アリアとデュオなのだが、アリアは今のように甘えるような声を出してくる(頼斗より歳上)し。デュオはかなり友好的な、郁馬と天無の中間のような話し方をする。
頼斗が勝手に想像していた、上下関係などまったくなかった。すれ違う魔物(かなり違和感があるが)も、気さくに話しかけてくる。今までの生活からはまったく考えられないことばかりだった。
「ねぇ~、頼斗ちゃ~ん」
終いには瞳をうるうるさせてねだる始末である。顔が美人なだけに、頼斗にもかなり堪え
「わぁったよ」
と了承してしまう。
「やった~!!頼斗ちゃんありがと~」
そう言って、嬉しそうに頼斗に抱き着くアリア。頼斗の中で、敵のときのきっちりしたイメージが、音を立てて崩れて行く。
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