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「じゃ、早速行きましょ~」
「わかったわかった」
腕を引っ張るアリアに苦笑いをしながら、頼斗はベッドから立ち上がる。
「頼斗ちゃんは、中庭がいい?外がいい?」
立ち上がった頼斗の腕に、自分の腕を絡めつつそう尋ねるアリア。行動パターンが霞と似ているように思えるのは、気のせいだろうか?
「あ~、んじゃ中庭で。まだ実際に行ったことねぇし」
「わかった~。じゃ、レッツゴ~!!」
アリアが頼斗の腕に絡めているのと反対の腕を上げ、そう楽しげに言う。
「(ま、気を使ってくれてるんだろうな)」
そんなアリアや、デュオに頼斗は内心感謝していた。アリアとデュオがなるべく明るく話しかけるのは、仲間の元を去った頼斗が寂しくないように、負い目を感じないようにとの配慮だと、頼斗自身は考えている。
それを本人たちに言った所で、2人は「そんなことない」と言うだろうが。頼斗はこの組織に、温かさを感じていた。
「さっきから何考えてるの~?」
頼斗が何かを考えているのを見て、アリアが少し心配そうに尋ねる。
「ん?いや、何でもねぇよ。行こうか?」
頼斗はアリアにそう答えると、彼女を連れて部屋から出た。
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