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「へ~、綺麗だな~」
中庭に着いた頼斗は、景色を見ながらそう声を漏らす。
中庭は闇が造られている山の中にある。どうしてこんな空間があるのかはわからないが、とても美しい場所だ。
中庭の奥から水が流れ川を形成し、その川の水と上にぽっかりと空いた空間から降り注ぐ太陽光によって、多くの植物が育っている。そして、その植物を食べる小動物(魔物ではない)が、時々顔を見せる。
「凄いでしょ~?皆ここに来て疲れを癒すのよ~」
アリアはそう言いながら、川に近付いていき水を少し手にすくう。
「食料もここで結構補えるの。水もすぐに飲めるくらい綺麗よ」
そう言って手招きをするアリア。頼斗はそれに従い、川へと近付き水をすくって飲んでみる。
「へ~、確かに飲めるな。てか普通に旨いや」
頼斗がそう言って川の中を眺めていると
『何イチャイチャしてるのよ?』
と、唐突に声がして、頼斗の体が川の方へ押された。
「え?」
完全な不意打ちに、頼斗は頭から川に落ちてしまった。
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