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「ぶはっ!?」
頼斗は慌てて水面に顔を出し、先ほどまで自分が立っていた場所に視線を向ける。
そこには1人の女性が立っていた。長い金髪に、鋭い目。
「し、シオン!?」
女性の名前を頼斗が叫ぶ。女性、シオンはそんな頼斗を面白そうに眺めている。
「な、何でお前が?」
頼斗が川から上がりながら、シオンを見上げて尋ねる。
『ん?私も闇のメンバーだけど?』
シオンは見上げていた頼斗の視線に、しゃがんで自分の視線を合わせながらそう答える。
「は?お前も?……お前そんなのに加わらない、一匹狼みたいなやつかと思ってたんだけど?」
『ん?ま、そうなんだけど。あなたのお父さん、暁に誘われてね』
シオンと頼斗がそんな話している間に取って来たタオルで、アリアは頼斗の髪やらを拭く。
「あぁ、自分で拭くから。それより、何で親父から誘われたら入るんだ?」
『暁には興味があってね。私を倒した唯一の人間だから』
シオンはゆっくりと立ち上がりながら、頼斗にそう言う。
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