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「親父が?お前を?」
頼斗は首を傾げて不思議そうにシオンを見るが、何かを思い出したように「あぁ」と呟く。
「そういや親父、ミラージュに入ってたんだったな。そんときか?」
『ええ。まさか人間に負けるとは思わなかったわ』
頼斗の言葉に、シオンが懐かしむように呟く。
『こっち来てからも戦ったけど、また負けたしね』
シオンは続けてそう呟き、悔しそうに頼斗の頭を何度も叩く。
「ま、まて!!俺に当たるな!!」
『いいでしょ、暁の子なんだから』
頼斗が必死に止めようとするが、シオンは頼斗の防御を易々潜り抜け、叩き続ける。
「お?頼斗、両手に花だな」
そんなやり取りを頼斗とシオンがしていると、デュオが中庭にやって来た。
「デュオ、こいつ、何とか、してくれ」
叩かれながら、必死に訴える頼斗。デュオそんな頼斗を見てニヤニヤと笑う。
「わ、笑って、ないで、助け」
デュオは頼斗の言葉に、「はいよ」と答えると、表情を真面目な表情へ切り換えた。
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