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早朝、怜亜たちはいつも通りに訓練所に集まっていた。ただ、いつもと違う所は、皆大きな荷物を持っており、私服であると言うことだろう。
「皆は集まりましたね」
そんな中、怜亜が微妙な言い回しで、そう言う。
怜亜がそんな言い回しをした理由、それは皐月である。案内のため(天無と霞より暇なので)来る予定なのだが、相変わらず朝が弱くまだ来ていない。
「いや、流石は皐月さん、こんなときでも寝坊するんッスね」
天無が苦笑いをしながら言う。天無は、恐らく一番皐月の寝坊に付き合って来た人物だろう。
「アハハハ、そうですね。……それより漠君、その荷物は?」
天無の苦笑いに、乾いた笑いを返して、漠の方に視線を移し、そう尋ねる怜亜。
怜亜の視線の先、漠の手元には3つの大型のバッグがある。ちなみに怜亜は1つである。
「ん?あ~、俺って服いっぱいあるから」
「そう言えばそうだったね~」
漠の言葉に、弥生が笑いながら答える。漠が寮に入ったとき、部屋の片付けで服の多さを一度だけ見たことがあるのだ。
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