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学園内のある教室。そこは重苦しい雰囲気に包まれている。
「何で……」
そう呟いたのは荒井漠。金髪で整った顔ををしているが、今はその顔は悔しげに歪んでいる。
「漠君……」
「大丈夫だよ……」
そう言う2人は、月夜真凛と桜弥生である。青と赤の対照的な髪をしているが、いつも一緒にいる仲のいい2人だ。
真凛はおっとり、弥生は明るい少女なのだが、その2人は悲しげな表情をしている。
「あいつ、いったい何を考えてるッスか!!」
頭をかかえてそう言うのは朝河天無。オレンジ色の髪をぐしゃぐしゃ掻きながら、漠と同じように表情を歪めている。
「……頼斗」
「霞さん、大丈夫ですから」
顔を伏せて泣いているのは、伊吹霞だ。そして、彼女の紫色の髪を撫でながら慰めているのは、刀夜郁馬。白髪の少年で、この中でも冷静を保っている。
「……」
そして、何も言わずに机の一点を見つめている少女、篠原怜亜。彼女は郁馬と同じようにに冷静を保っている。しかし、郁馬と違い瞳に力がある。
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