2714人が本棚に入れています
本棚に追加
「……わかりました」
怜亜の問いを受け、まず結里がそう答えた。
「役に立てるかわかりませんが、出来る限りのことをします」
結里はそう言って、他の3人に視線を向け、3人の返答を待つ。
「私は構わねぇよ。頼斗先輩には世話になったから、恩返しだ」
次に口を開いたのは竜姫だった。返答は結里と同じく了承した。表情に不安はなく、ニシシと笑っている。
「僕もやります。頼斗先輩は憧れでしたから、何故敵に回ったのか知りたいです」
続いてしっかりとした声でそう答える黎明。
「私も、自分にできるなら……やります」
最後に美鈴がそう答える。4人とも、もう気持ちに不安はないようだった。
「ありがとうございます……では明日の朝、特訓を始める時間に寮を出ます」
怜亜は深く頭を下げた後、4人に学園を出る時間を告げた。4人はしっかりとした声音で「はい」と答えた。
頼斗は仲間たちを甘く見すぎていた。そして、自分を軽視しすぎていた。自分のために、皆がここまで考えるとは思わなかったのだ。
今ここに、仲間たちの戦いが始まった。
最初のコメントを投稿しよう!