一章

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出会いはふとした瞬間だった。 しゃばは夏休み、連れが企画したバーベキュー大会に参加した。 バーベキュー自体は昼1時から始まっていたが、俺は土曜日も仕事があるので仕事が終わりしだい参加した。 昼間の熱を残しつつも過ごしやすい気温になっており、水平線の向こうの夕焼けが明日の晴れを連想させる。 「祐司、どした?」 馴染みの声に名前を呼ばれタバコに火を点けながら、俺は振り返った。 「綺麗じゃね?」 俺は思っていたことをそのまま口にした。 綺麗な夕焼けから大粒のラメをちりばめた様な夜空にかわる頃花火大会が始まった。 この時間になると皆も酒がまわり野外大宴会状態になっていた。 「せんぱ~い。」 ハスキーボイスとは程遠い女の子らしい声が後ろから聞こえた。
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