6人が本棚に入れています
本棚に追加
/79ページ
あたしは今この空間から地球を見下ろしている
無限の時間が続いて行く事に何時まで精神が正常でいられるのか謎のまま
何時もの様に身体が浮かんだあの時あたしは身体から妙な紐の様な物が出ている事に気がついた
何気なくたぐり寄せた瞬間その紐の様な物が鈍い感覚でぶち切れた
あたしは今妙な紐を垂らし空間に浮かんでいる
あたしと生身の身体のあたしを繋ぐ命綱
イメージの世界に幽閉されたんだろうか
過度の臨死体験を自ら好んだ戯れを死神に気付かれたのかも知れない
空間に一人の男性が姿を現した
悦に入り込んだその表情に自分が重なる
戦慄が身体を襲った
彼はまだ気が付いていないのだ
紐の様な物が身体と辛うじて繋がっている事に
脆くなっているその命綱がぶち切れる感覚に
あたしは今この空間を漂っている
どんなに畏怖の念を抱いても地上における喜びに勝る物は無いのだ
改めて思い知らされても漂っている現実が逃避で無いことだけが脳裏を霞める
オワリ🌀
最初のコメントを投稿しよう!