星の瞬き

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あたしは今この空間から地球を見下ろしている 無限の時間が続いて行く事に何時まで精神が正常でいられるのか謎のまま 何時もの様に身体が浮かんだあの時あたしは身体から妙な紐の様な物が出ている事に気がついた 何気なくたぐり寄せた瞬間その紐の様な物が鈍い感覚でぶち切れた あたしは今妙な紐を垂らし空間に浮かんでいる あたしと生身の身体のあたしを繋ぐ命綱 イメージの世界に幽閉されたんだろうか 過度の臨死体験を自ら好んだ戯れを死神に気付かれたのかも知れない 空間に一人の男性が姿を現した 悦に入り込んだその表情に自分が重なる 戦慄が身体を襲った 彼はまだ気が付いていないのだ 紐の様な物が身体と辛うじて繋がっている事に 脆くなっているその命綱がぶち切れる感覚に あたしは今この空間を漂っている どんなに畏怖の念を抱いても地上における喜びに勝る物は無いのだ 改めて思い知らされても漂っている現実が逃避で無いことだけが脳裏を霞める           オワリ🌀
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