会いたくなった

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あたしも悠生くんも実は一般受験組。遊んでばかりいるように見えて、放課後は講習を受けたり、残って勉強したりしていた。 土曜は毎週講習で、今週の日曜は大雪の日の休校の遅れを取り戻すために補講になった。 毎日学校があるということは毎日悠生くんに会えるということ。付き合ってから毎日会っていて、そして気づいた。悠生くんはあたしに触れたがってるということに。 日曜はバスの便が少なくて、講習が終わった後、教室でバスを待っていた。 二人きりで会話が途切れて、悠生くんにキスされる。 キスした後はぎゅってされて、いつもなら丁度よくチャイムが鳴って終わりなのに今日はチャイムは鳴らない。そしてバスが来るまであと30分はある。 ぎゅってされるまではいつもと同じだったけど、今日は胸を触られた。あたしがビックリして悠生くんの手を払うと、何事もなかったかのように今日の講習の話なんかをしてきた。 「千紗、今日授業中珍しく寝てたけど、夜遅くまで勉強してんの?」 「うーん。ぼちぼち」 「クリスマスパーティーどころじゃないよな」 「確かに。もう受験終わってる友達見てるとちょっとイライラするかも。でも皆あたしに気つかってくれてるのわかるんだよね」 「千紗の友達皆良さそうじゃん。松田なんて受験終わってないのに騒がしくてうざいっていうか、自分のことより松田が心配だ」 「松田くん大好きなんだね」 「まぁ認めたくはないけど」 ふと窓の外を見ると雪がちらついている。今日の天気予報は曇りだったはずなのに。 悠生くんと二人で雪を見ているとあの告白の日のことを思い出す。あの時の気持ちより今はもっと悠生くんが好きで、もっと知りたいし知って欲しいと思うようになった。 あたしは悠生くんの左手を握った。 触れたがってるのはあたしも一緒だ。
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