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「あたし、悠生くんのこと好きかもしんない」
雪が降り積もり、待っても待っても来そうにないバスを待ちながら、あたしはただのクラスメートの桂浜悠生にそう言った。
正確にはただのクラスメートではなく、席が隣のちょっと仲が良い友人であり、これは"言った"ではなく"告白した"のだと思う。
来週に控えたクリスマスパーティーの話になり、誰と行くのか、付き合ってる人はいるのか、好きな人はいるのかという話になった。
あたしは本当に悠生くんが好きかもしれなかった。お互い小説が大好きで、好きな作家が同じ。悠生くんは野球部で、あたしは野球を見るのが好き。話をするのがすごく楽しかった。二人とも猫を飼っていて大の猫好きなのも嬉しい共通点。
クラスでは全く別のグループに属しているから仲が良いことは皆知らないだろう。
あたしはマイペースな友達と服とか音楽の話をするけど、悠生くんは体育会系の友達といつもスポーツの話をしている。
きっとあたしとは全く違う環境で生きてきたからあたしは悠生くんをもっと知りたいと思ったし、あたしのことを知って欲しいと思った。
「悠生くんは好きな人いるの?」
「俺もお前が好きかもしんない」
「何それ」
「もっと千紗と話したいって思ってさ。そういうのって何?」
「あたしもわかんない。でもあたしも悠生くんともっと話がしたいかもしんない」
「自分のことなのにわかんないってお前バカ?」
「うん。悠生くんもね」
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