好きかもしんない

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来週の水曜日に生徒会主催のクリスマスパーティーが講堂で開かれる。あたし達3年生は最後のクリスマス。 このクリスマスの話題から好きな人の話になるのには理由があって、伝統ではクリスマスパーティーは男女のカップルで出席することになっている。 あたしが去年、先輩に無理やり誘われて出席したように、男女ペアでなら参加できる。だから好きな人を誘ったり、相手を見つけることが今一番の皆の関心だったりする。 「お前クリスマスパーティー誰と出るの?」 「募集中」 「え?お前まだ決まってないわけ?」 「何?その失礼な驚きは」 「いや、千紗可愛いから倍率高いんだろうなって思ってた」 「倍率高いよ?高瀬くんも早川もあたしと行きたいって言ってくれたもん。ねぇ、悠生くんは誘ってくれないの?」 「誘うとかじゃなくてさ、もっと、いい?」 「うん?」 「俺の彼女になってよ」 彼の声が頭の中でこだまして、しばらくすると雪の降り積もる音だけが聞こえた。本当にシンシンって。北海道の雪は積もる時音が聞こえる。 30分遅れて来たバスに乗り、手を繋いで並んで座った。 視界が悪くて前は全然見えなかったけど、周りからもよく見えないあたし達で良いと思った。 さっきよりももっと強く、好きかもしんないと思った。
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