浮かれてるかもしんない

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彼氏が出来た。 そのことが多分すごく嬉しかったから、あたしはただウキウキしていた。 昨日降り積もった雪のせいで、朝、電車は動かなかった。カラフルで新しい家が立ち並ぶ周囲も地面から屋根まで真っ白になり、玄関を出ると白以外の色はないと言えるほど真っ白だった。 快晴の空に一つ輝く太陽は雪に光を反射させ、白というより銀色の世界。眩しさのあまり、あたしは目を伏せた。 除雪が間に合わないことを悟った両親は車庫の前の雪かきをせずにバスで会社へと向かった。 あたしはいつも電車とバスを乗り継いで学校に行くのだけれども、電車が動かないおかげで今日は休校。無性にウキウキするのはそのせいでもあるかもしれない。 さっき来た連絡網。 桂浜悠生の次があたし、加藤千紗。 いつもは素っ気ないメールで来る連絡網だけど、今日は弾んだ声の悠生くんが連絡事項を伝えてくれた。
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