浮かれてるかもしんない

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「今日学校休みだって!お前今日何すんの?」 「勉強かな?」 「はぁ?昼から松田たちとバッティングセンター行くんだけどお前も来ない?」 「え、松田くん?」 「嫌?」 松田くんと言えば悠生くんと同じ野球部で、いつも下ネタを連発してるような人。好きとか嫌いとかじゃなくてあたしは困った。まともに話をしたことがない男子の集団にあたしが入るのってどう考えてもおかしい。 「そういうわけじゃないけど、松田くんと遊びたいわけじゃないっていうか、悠生くんに会えればいいかなって」 「じゃあ二人で会おうか?」 嬉しくて自分の頬が緩みっぱなしなのがわかる。 デートだ。 携帯を閉じて急いでシャワーを浴び、服を着替えた。 お気に入りのプリーツスカート。これを履く時の靴は赤いブーティって決まってる。でも玄関を出てから気づく。 雪は50センチ以上積もっててとてもブーティでなんか歩けない。 そして次の工藤成美に連絡網をまわすのを忘れてる。 浮かれてるかもしんないじゃなくて、あたし、完全に浮かれてる。
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