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ロープはかなりボロボロだったが、切れたりはしなかった。
少年は登り終えて、少女と挨拶をした。
「やあ。」
「やあ。」
少女はロープを引っ張り上げて、枝に巻き付けた。
「毎年、ここで飾り付けを?」
「うん、十日間くらいかけてするの。大変なんだよ。」
「知らなかった。というか全く気が付かなかった。」
よく見たらもう既に、木にはいくつか飾り付けがされている。
「仕方ないよ、私たちあんまり皆にこの事言っちゃいけないことになってるし、
モミの木の中、外からじゃ葉っぱでほとんど見えないし」
「成る程ね。だからロープも上げたのか。」
「うん、あんまり目立っちゃいけないから。」
「じゃ、俺は何をすればいいかな?」
「えっと、じゃあねぇ……」
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