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電車で帰る私を、彼は見送ってくれた。
髪も化粧もボロボロ。
朝日がみすぼらしい私を嘲笑う。
でもそんな事、どうでも良かった。
私は初めて攻撃に出た。
まさにピンチに立って初めて剣を抜いた勇者Lv1。
攻撃が通用しなくても良いのさ!
剣を抜いた事で冒険が始まるって所に意義があるんじゃないか。
「あ‥アドレス教‥えて下さい‥」
決まったかどうかは知らない。
でも確実に私の冒険は始まった!
彼はあっさりアドレスを教えてくれた。
舞い上がる私をよそに、彼は最後まで冷静だった。
小学生をあやす教師のような笑みで、私を見ていた。
年上の余裕に、トキメキまくりだった。
「また会いましょう」
はめていた手袋をわざわざ外し、握手をしてくれた。
彼の手に触れた興奮は、今でも忘れない。
電車に乗ってすぐ、私は彼にMailをした。
とにかく早く次の約束が欲しかった。
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