チラ見こそ究極の萌え

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  初めて出会ったあの日から一ヶ月が過ぎた頃。   私は彼と二人で会うようになっていた。   かなり記憶が曖昧なのだが、気疲れする位緊張の嵐だった。   あの頃はまだ敬語じゃなかったかな。   とにかく彼が好きそうな女性を勝手に作り上げ熱演していた。   二人で撮ったプリクラ。   緊張のせいか生まれつきか、物凄い下手物顔になっていたのを覚えている。   彼の事をもっと知りたい!   私の事ももっと知ってほしい!   そう思いながらも、私は毎回自分を偽って彼と会っていた。   日に日に想いは募るばかり。   なのに本当の自分が見せられない。   自分で自分の首を絞め続けた挙句、自己嫌悪発動というブザマな結果。   自己中極まりないが、あの頃の私は真剣に悩んでいた。  
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