咲き墜ちて～歪んだ愛～

アイツ

アイツの部屋は

いつも綺麗に

整頓されていた。

無造作に敷かれた

マットレスとシーツに残された

乾いた無数の白いシミ以外は。

アイツが部屋に帰れる日は、

週に二、三回あれば

多い方だった。

ここには女の匂いよりも

憎悪の匂いがする。

渦巻く匂い。

だけど私にしてみれば

極上のアドレナリン…。