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「貴方は…まだ死んじゃダメだ」
静かに、男が言いました。
「長きに渡り殺し合いをさせていた敵を、生かすと言うのか?」
神様が、不思議そうに答えました。
「貴方には世界を管理する義務がある。今まで死んでいった人たちへの償いとして、生きている皆を幸せにしなくちゃならないんだ。死んで逃げるなんて、僕が許さない。それに…今の時間、銃なんか使っちゃいけないしね」
男は手に持った拳銃を捨て、神様にクッキーを差し出しました。
「……私が身勝手に生み出した命や世界。責任を持たずして何が神だ。人間よ、私の考えは間違っていた」
神様は、クッキーを受け取って笑顔で言いました。
時刻は午後三時。
おやつの時間の事でした。
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