―片恋―

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『雷矢!父さんとアメリカに行くか?』 あれは…? 中学に上がる前のクリスマスだっただろうか? 3人で食卓を囲んでいる時だった。 それまで、そんな事を口にした事のない父親の突然の申し出。 ただ純粋に嬉しかった。 俺も必要なんだと。 そんな当たり前の事を見失いそうになっていたから… 『…うん』 俺の答えに顔を輝かせた父親は、すぐに飛行機を手配した。 アメリカの中学への申請手続きをするためにと… そして2日後。 『行ってくるわ!』 『…うん…』 今にも泣きだしそうな万里を置いて、俺は飛行機に乗り込んだ。 冬休みが終わるまでには帰って来る。 一生会えないわけじゃない。 そう思っていた… はずなのに…
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