―片恋―

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アメリカに来れば… 父親の傍にいれば… おのずと“家族で過ごす”という当たり前の事が待っていると思っていた。 だけど… 日本で過ごしているのと、何ら変わりはなかった。 夜中にベッドが動くような気がしたけれど… 朝起きればベッドは冷たくて。 期待していたからだろうか。 俺の為に働いてくれているのは分かっているはずなのに… 見知らぬ土地で、誰も話し相手がいないのは、日本にいるよりも苦痛で… 孤独で仕方なかった。 そんな時。 無意識に呼ぶ名前。 無意識に求めるぬくもり。 それは… 他の誰でもない、ただ一人。 万里だけだった…
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