始まり

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居心地のいい場所=楽な環境。自分のやりたい放題。でもそれは本当は、全部自分に責任がかかってくるということ。この時のユナ達にはその意味はわかっていなかった―。 学校なんか行ってもつまらないから、中学の時の仲間と連絡を取り合って、合流して、遊びまわっていた。 でも…時は流れる。段々仲間のメンツが変わってくる。16才。彼氏に溺れる年頃だ。高校入学と同時に妊娠して学校を辞めた子や、彼氏優先の子、地元からバラバラの学校に散ったのだから、一ヵ所にはなかなか集まらなくなった。 もちろんというか、中学から付き合っていた彼氏も学校が離れ、すぐに中退して暴走族になっていた。そんな別の道に進んだ彼氏とは、中学卒業の時、あんなに、離れても大丈夫って言っていたのに、あっけなく3分の電話で終わった。。。一年生の夏休みくらいまでには学校を中退して水商売の世界に入って行った子も何人かいた。そして………         バイクの事故で死んだ仲間もいた。。。バイクで暴走中の事故。                最初はみんな信じられなくて、落ち込んで、泣きじゃくって…。その時ばかりは昔のメンツが集合した。でも…死んだ子のこともだんだん会話にも出なくなっていった。みんな、自分のことで精一杯だったし、一番楽しい頃だったんだ。ユナは、学校を辞めることしか頭になくて、両親とケンカの毎日。              ほんの半年くらい前まで一緒にバカやって、誰かがヘコめば慰めあって、誰かが傷つけられれば仕返しに行ったりしていた仲間が、また1人また1人と違う道を歩み始めた。 ユナだけ取り残された気分だった。 しかも居場所のない学校に。あっけなく離れていった彼氏。 自分の道を進み始めた昔の仲間達。 この世から消えてしまった仲間。 どうしたらいいのかわからなくなるほど淋しくて悲しくて…。 友達や仲間や彼氏って案外脆い繋がりだなぁなんて思った。
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