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二人で登校する。なんて事は実は初めてだったりします。隣を歩く黎人さんの手が私の手に触れるか触れないかの距離にある。
繋ぎたい気持ちは溢れんばかりだけど、どうしても一歩踏み出せずにいます・・・
「どうしたんだ、そわそわして。」
「い、いえ。何でもありません。」
いつの間にか私を見ていた黎人さんに見抜かれたのかと思って心臓が跳ね上がりました・・・。
「何かあったのか?」
「あの・・・笑わないで聞いて貰えますか?」
「ん?」
気付いたときにはもう遅かった。黎人さんが私の顔を見つめる。取り消すことなんて出来なくて・・・勇気を振り絞って言ってみた。
「手、繋いでも良い・・・ですか?」
「手?」
言い終えた瞬間、顔が沸騰するみたいに熱くなっていくのが分かる。
そうやって落ち着きを取り戻そうとしていたら、黎人が答えをくれていた。
「あ・・・」
「こんな事で良かったか?」
躊躇いなく私の手を握ってくれた黎人さんの手は少し冷たくて。でも何故か暖かくて。
「これ位なら安い頼みだよ。」
「じゃあ、校門前までこのままで良いですか?」
「ああ。」
少しの間お互いに無言だったけど、話をしているよりもずっと居心地が良かった。
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