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「お~お~♪お熱いですね~。」
「泰敬先輩?」
「よ。」
後ろからやや明るい声。振り返ると泰敬先輩が立っていた。
「・・・知り合い?」
「えっと、先日悪い人に絡まれてしまったときに助けて貰って。河野泰敬先輩です。」
「同じ学年だよな?河野泰敬だ、よろしく。」
爽やかな笑顔で握手を黎人さんに求める泰敬先輩。黎人もそれに応じて握手を交わした。
「よろしく、河野。」
「泰敬な、泰敬。堅苦しいの嫌いなんだ。」
「泰敬、俺の事も黎人で良い。」
「おう、そうさせて貰うぜ、黎人。」
また爽やかな笑顔を浮かべる泰敬先輩。でもやっぱり服装は崩れたままで。
「良い野郎捕まえたな、優奈ちゃん。」
「や、泰敬先輩!」
「いや、マジで。」
恥ずかしくなって黎人さんと繋いだ手を一瞬、離してしまったけれど黎人さんは私の手を握ったままだった。
「校門前までだったろう?」
「・・・恥ずかしくありませんか?」
「ない。手を繋ぐくらいで恥ずかしがってられないだろ?」
羞恥に焦がれる私とは対照的に黎人さんは毅然としていて、何というか、見とれてしまいました。
「本当、ラブラブだな。・・・馬に蹴られたくないから先行くぜ?」
「ああ、また。」「ほんじゃ!」
軽く手を振って泰敬先輩は走り去って行った。
「やめておくか?手、繋ぐの。」
「いえ、このままで・・・お願いします。」
恥ずかしさとは別の意味でドキドキし始めてしまいました・・・・・・。
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