崩れ去った縁、戻らない過去

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「ん?」 昼休み、全くもって世界はよくできているものだと想わざるをえない。 「黎人・・・。」 今まで会っていなかったのに、会いたくないと思っているのに、悉くそれを打ち砕いてくれる。 「黎人、あのね・・・」 「・・・・・・。」 俺は変わらず無言で傍を通り過ぎる。例え早紀が約束を破っても俺は破らない。そう決めたから、あの時『あの条件』を出したのだから。 「っ・・・お願い、話を聞いて・・・。」 「お~い黎人!・・・早紀?」 「勝也・・・行くぞ。」 「は?お、おい!」 困惑する勝也を尻目に歩き出す。 一刻も早く、この場から離れたかった。
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