4人が本棚に入れています
本棚に追加
「ん?」
昼休み、全くもって世界はよくできているものだと想わざるをえない。
「黎人・・・。」
今まで会っていなかったのに、会いたくないと思っているのに、悉くそれを打ち砕いてくれる。
「黎人、あのね・・・」
「・・・・・・。」
俺は変わらず無言で傍を通り過ぎる。例え早紀が約束を破っても俺は破らない。そう決めたから、あの時『あの条件』を出したのだから。
「っ・・・お願い、話を聞いて・・・。」
「お~い黎人!・・・早紀?」
「勝也・・・行くぞ。」
「は?お、おい!」
困惑する勝也を尻目に歩き出す。
一刻も早く、この場から離れたかった。
最初のコメントを投稿しよう!