崩れ去った縁、戻らない過去

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「一体どうしたんだよ黎人。」 「早紀に話し掛けるなと言われててな。」 「だけどさっき早紀の方から話し掛けてたじゃん。」 勝也に話すべきかどうか、正直迷った。けどもう早紀との事を話してしまった。だから1から教える事にした。早紀とした『約束』の事を。 「早紀がんな事をね。どうせお前の事だから、俺や透に協力を求めちゃいないんだろ?」 「そういう事で頼む。」 もう、あの時から俺と早紀を繋ぐ縁を断ち切れてしまったのだから。 「早紀は周りからの評価に敏感だからなぁ。だから云われのない悪評が立ったお前のダチって思われたくなかったんだろ?でもよ、だからって・・・」 「俺はあの条件を呑む代わりに、もう話すこともないようにしただけだ。それを受け入れたのも・・・」 「あいつ・・・と。」 勝也が悔しそうな顔をしていたが俺はそれを置いて歩き出す。 「・・・・・・かよ。」 勝也の漏らした一言は俺には聞き取る事ができなかった。 「本当に、どうにもならないのかよ。」
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