交錯する気持ち、踏み出す勇気

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「おっす黎人。飯一緒に食わねぇ?俺の連れも一緒にだけど。」 「いいよ。」 優奈は無理だと言っていたし、勝也と透は休みになるとどこかに行ってしまったから丁度良かった。 「泰、行こう。」 「お、来た来た。黎人、紹介するぜ、西谷 龍志 (ニシタニ リュウジ)だ。龍ちゃん、こっちは・・・」 「御神楽黎人。宜しく。」 西谷龍志と呼ばれた男子、よく見ると学園指定の制服ではなく、スーツに身を包んでいた。 「西谷龍志だ。宜しく。黎人で構わないか?」 「ああ。」 「んじゃま、食堂行こうぜ」 泰敬と龍志とで三人で廊下を歩く。 すると不思議な光景に出くわした。 「・・・・・・。」 すれ違う生徒達が俺達三人を避けていくのだ。食堂へ向かう生徒でごった返している廊下である筈なのに、俺達の前に道が出来ていくのだ。 「どんな待遇だよ。」 「「VIP待遇」」 口を揃えて軽口を言われ、少しムッと来たが食堂で聞き出すことにしよう。 ただこの後、食堂で俺は驚く事になる。
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