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「おはよう。」
「はよッス~。」
クラスメートに適当に挨拶を交わしつつ、自分の席へと着く。すると当然のように勝也と透が席へとやってきた。
「昨日のデートはどうだった?」
「楽しめた?」
「朝から一言目がそれか?」
開口一番に昨日の件を問いただしてくる。発端は一昨日の電話だ。
(優奈です。黎人さんは明日お暇ですか?)
(ん?まぁ問題ないが、どうした?)
(それは明日のお楽しみという事で。では、明日朝9時頃駅前で待ってますね!)
今思えば何故気づかなかったのか。デートの誘いである事を。
「まぁ、買い物とかやったくらいだ。しかし、何故お前たちがその事を知ってる?」
「ちっち、甘いぜ。お前んとこの神社のなんて言ったっけ・・・」
「呉葉ちゃんだよ。彼女に君をよんで欲しいと言ったら、『黎人さんはデートに行かれましたよ。』と言われたんだ。」
呉葉・・・。あの子も少し口が軽いな。
まぁいいか。悪い事をしている訳ではない。
「よ~し、お前ら席に着けよ~。」
「ほら、話は昼休みに・・・な?」
タイミング良く現れた担任に救いを感じ、勝也と透が退散していく。
「そうだ、・・・御神楽!」
だが、
「ホームルーム終わったら理事長室に来いとさ。何やらかした?」
現実はそんなに甘くなかった。
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