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「未来都市?」
「はい、ソニックさんたちが向かわれたそうです」
彼女に煎れてもらった紅茶を飲みながら僕は聞き返した。
それに答えた彼女は終始笑顔で、なんだか嫌な予感が脳裏をかすめる。
「そこに浮遊するボードのレースがあるそうですよ」
行きたいです。
と、声には出ていないものの、笑っている顔に書いてある。
気がつかないふりをしようかと思ったが、彼が、ソニックが行ったのならきっとその浮遊するボードのレースに出るのだろう。
少し、出てみたい…
かもしれない。
今僕は砂漠の真ん中にあるオアシスの街ラークにいる。
その街の中心に位置するこの建物は教会だ。
この教会、元はボロボロで屋根はない、隙間風がはんぱない、壁にヒビなんて当たり前、そんな状況だった。
まあ、今はきちんと修理されてステンドガラスも綺麗に反射しているのだが。
「僕たちも行こうか」
そう言うと、彼女は嬉しそうに微笑んだ。
「ところで、その未来都市はどこにあるんだ?」
「テイルスさんから地図を預かっています」
なんとも用意の良いことだ。
最初から行くつもりだったのだろう。
教会に鍵をかけている彼女背に僕は空を見上げた。
*
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