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「なるほど、だからボードが浮遊し、空を走るのか」
僕らは、未来都市へと来ていた。
あの後、やはり近くの街までバスで行き、その後はひたすら人に行き方を聞いて歩き、なんとかたどり着いた。
僕の前には〔浮遊するボード〕を造っている職人。
詳しく話しを聞き、それなら自分でも乗れそうだと心に思う。
ふと時計をみると、2時間ほど経過していた。
話しにのめり込み、すっかり時間の事を忘れていた。
「話しは終わりましたか?」
後ろから声をかけてきたレインに僕は苦い顔で振り返った。
「すまない、つい…」
「いいえ、私も勉強になりました」
「?」
わからないという顔をするが、彼女はただ微笑んだだけだった。
浮遊するボードの名は"ギア"というらしい。
どうやら乗りこなすには時間がかかりそうだ。
彼らは、既にギアについて何か知ったのか。はたまた、もう乗っているのか…
わからないが、僕も負けては居られない。
となると、やはりボードは買わないといけない…
なんて考え事をしていると、彼女はスタスタと歩き出していた。
「どこに行くんだ」
「いいとこですよ」
仕方なく、彼女の後を追って、僕も歩き出した。
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