いつの日か

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今宵はもう雪の降る、真冬へと変わって行く。今日はあなたと歩く久しぶりの道を、楽しみにしてたのに。 君はいつも僕を待たせ、僕もそれなりに準備してなくて、ただ笑った顔だけが、唯一の幸せだった。 どんなに遠くにいても、どんなに近くにいても、気付かない想いが今、雪のように溶けた。   今年はもう桜散る、立春へと変わって行く。今日はあなたに会いたい心を弾ませたこの日、楽しみにしてたのに。 僕はいつも君に任せ、君もそれなりに遠慮してなくて、ただ笑った顔だけが、唯一の悲しみに変わった。 どんなに近くにいても、どんなに遠くにいても、届かない想いが今、桜のように舞った。 永遠なんて来ない。淋しい夜。後悔はしたくない。長い夜。今宵はクリスマスイヴ今年も君といたかった。 永遠なんて来ない。辛い夜。後悔はしたくない。遠い夜。サヨナラはしたくない涙が溢れてしまうから。君といたあの日から届く手紙、『もう戻れないよ』と記して、君は僕から離れて行く。遠い遠い街へ。 あの日の喧嘩さえなければ。きっと。きっと叶うベルがなる。赤いレールの上を歩ける。もうこれで最後と君は小さく囁く。僕も小さく頷いた。 サヨナラ、サヨナラ。ただ君には笑っていて欲しい。どうしてこんな気持ちなんだろ。別れは淋しい今日は一人きりの、メリークリスマス。戻って来てくれと神という名のサンタに願う。いつの日か。
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