回想

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親父が逝ったと聞いたのは翌日、頭が真っ白だった。何も知らない親戚からはお前が殺したと言われた。半分はテメエらが殺したんだろ!金が無くなった親父に寄り付きもしなくなって孤独にさせたのは誰だよ!今思えば俺じゃんね…あいつらより俺が側にいてやらなきゃいけなかったんじゃねえかよ。馬鹿は俺じゃんね。親父の気持ちも知らないで…親父は俺の事待ってたんだよね。飲みに行くのなんかどうでも良かったんだよね。腹決めたから最後に俺と会って話がしたかったんだよね…欝陶しいから仕事入れて行かなかったよ。行くよって約束してたのに…親父が欝陶しかったんだよ、俺は…時間が経つにつれて親父の気持ちが、寂しさが、悔しさが、自分の中にドンドン流れ込んでくるんだよ。親父の気持ちが手に取るように解るんだ…どんな気持ちだったかが。こんなにも辛いものだったのか…こんなにも悲しいものだったのか…今更何言ってんだよね。今更…
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